数学投稿日:2021/02/19
今年のある大学入試の数学の問題がふと目の前に転がり込んできたので解いてみました。
なぜ解くのかって?
数学好きの私の趣味です。脳トレです。
数学が好きな人は是非チャレンジしてみてください。
複素数を扱った問題のようですね。
<解答例>
ずら~っと数式の羅列です。
数学が苦手な人にとっては見たくもない面倒な計算をしているように思われるでしょうね。
しかし、これは私の捉え方なのですが、一見「計算」で導いているように見えるけれども、
本質的にはとても「図形的」な問題だと思いました。
<解答アプローチ>(注:あくまで思考プロセスであり、正答例ではありません)
正答例と比べると全く別の解き方に見えるかも知れませんが、
実は解答例での数式はこのような図形の回転を意味しているのです。
おそらく作問者の意図にも「複素数平面上の点の回転は複素数の積に対応すること」がこの問題のテーマであったと思います。
高校生にはこの問題を通して「複素数平面の本質」の理解が問われているのでしょうね。
答案的には定理を用いた式変形で、無駄がそぎ落とされ、すっきりと数式だけで表現されます。
しかし、無駄がそぎ落され最小限の表現であるからこそ「数式の羅列」になるのですが、私はこの数式はある意味「計算」ではなく、「表現」だと思います。
「点の回転」という操作が数式で表現されているのです。
なにが言いたいかというと、「定理を覚えて計算で導き出す」ことが大切なのではなく、
「本質を掘り下げて理解」しなければならないということです。
複素数は実際、電磁力学や3D動画、通信工学などの実用に必須だそうです。
世の中には無駄がそぎ落とされて洗練されているからこそ、背景を知らずに過ごしていることがたくさんあります。
当たり前に使っている道具や知識も先人が生み出してくれたものに支えられている。
そういうことに気付かせてもらった問題でした。
数式に込められた図形的な意味を見出すように、ものごとを表面的に見るのではなく、その背景まで受け止める姿勢が大切ですね。